子宮外妊娠という表現は一般の方にわかりやすいため、外来診療中、患者様にご説明する際よく使用しています。
ただ、厳密にectpic pregnancyを医学的見地から厳密に訳するとすると、異所性妊娠という表現が正しいとのことで、2009年から学会では異所性妊娠と表現するようになりました。
どの部位に着床したかで、卵管膨大部妊娠、卵管峡部妊娠、卵管間質部妊娠、子宮頚管妊娠、帝王切開瘢痕部妊娠、卵巣妊娠、腹膜妊娠と様々です。
以前にも他のコラムで掲載したことがありますが、私は33年前の研修医時代から、どういう理由でか本当によく異所性妊娠の患者様に遭遇した医者で、離島医療をしていた2年間や、大阪大学で論文作成中のアルバイト先で、その他関連病院勤務中、そして開業して18年の間、先のあらゆる部位の異所性妊娠はすべて経験したことになります。
医師10年目くらいまでは明らかに診断がつく症例はのぞいて、常に自分の診断が間違っていないか腹腔鏡で確認できるまでははらはらした記憶があります。
今でも知れば知るほど判断に苦しむ症例もあるので、常に緊張感をもって診療に当たらなければと痛感する毎日です。