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コラム

ヘルペスの再発について

性感染症

2017.02.27


寒い時期には性器ヘルペスの患者さんの来院が増えます。寒冷刺激がヘルペスの発症の引き金になるからのようです。あらかじめヘルペスに感染していることがわかっている方で、再発の前駆症状である局所の違和感や神経痛様の疼痛があるときには、その6時間以内にバラシクロビルの内服を行うと病変の出現を予防できることがあります。6時間以降では抑制率が20%に低下するといわれています。したがって、常にバラシクロビルを手元に置いておいて、早めに服用されることをお勧めします。
ちなみに抗ヘルペスウイルス薬の軟膏は、病変局所しか働かず、ウイルス排泄を完全に抑制できず、局所保護程度の効果しかなく、病期を有意に短縮することはないといわれています。よって、塗り薬よりも、圧倒的にバラシクロビルの内服が重要であるということです。
1年のあいだ6回以上再発を繰り返す患者さんに、バラシクロビルを毎日1錠ずつ服用していただく、再発抑制療法というものがあります。本療法により60〜70%の再発を抑制できるといわれていますが、ただ、年10回以上も再発する患者さんでは、服用中に再発することもあります。この場合、一般的に症状は軽く、バラシクロビルを1日2錠に増量し、治癒したら再び1錠に戻すというようなことを行います。この治療の間、固定したカップルの間での感染率は、1年間に約10%といわれています。つまり再発抑制療法を行っていても、完全にウイルスの排泄を押さえるというわけではありません。
よって、再発抑制中であっても、コンドームの使用が勧められています。

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