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緊急避妊について

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2019.07.19


緊急避妊薬について、お電話での問い合わせが多いのでアップしてみます。特にどの程度効果があるのか、お知りになりたいところだと思うので、妊娠阻止率というものを詳しく解説します。

 

どんな薬ですか?
緊急避妊とは確実な避妊ができなかった性交渉から、72時間以内に服用することで、妊娠を回避する方法です。作用機序として、排卵の抑制、排卵の遅延、子宮内膜への着床の阻止、精子の子宮内への侵入阻止があげられます。効果(妊娠阻止率)は85%ですので、服用しても妊娠してしまう場合もあります。

 

妊娠阻止率とは?
妊娠阻止率が60%であるときくと、緊急避妊薬を服用した場合でも、10人中4人が妊娠してしまうのではないかと考える方がいますが、妊娠阻止率とはそういうものではありません。通常、排卵期近くで避妊をしなかった場合でも、必ず100%妊娠が成立するわけではないからです。あくまで予測される予定妊娠数がまず先にあり、それに対して服用した場合は妊娠例数がこれだけ減少した、ということを示すものなので、以下のような式で算出されます。

(妊娠予定数-緊急避妊薬服用後の実際の妊娠例数)/ 妊娠予定数 x 100(%)

予定妊娠数については、以下の表に示すデータ(New Engl.J.Med.333:1517,1995)がよく引用されます。

予測排卵日と性交日
との差の日数
妊娠確率 有効性解析対
象症例数
予定妊娠数
≦-6 0 95 0
-5 0.08 14 1.12
-5 0.17 17 2.89
-3 0.08 21 1.68
-2 0.36 25 9
-1 0.34 43 14.62
0 0.36 40 14.4
1≦ 0 268 0
不明 0 47 0
合計 570 43.71

これは、予測排卵日と性交日との差の日数で区分し、各集団での妊娠確率に症例数を乗じた値を加算することにより算出されたものです。症例数570例における妊娠予定数は表でお示しする通り43.71例ですが、緊急避妊薬を服用することで、実際に妊娠した症例が4例であるとすると、上にお示した式により、妊娠阻止率は90.8%ということになります。

 

副作用はありませんか?
不正出血、吐き気、腹痛、頭痛、倦怠感などの症状がみられることがありますが、一時的です。全くないこともあります。2時間以内に吐いたときは、再度服用されてください。これらの副作用は一過性のもので、その後のホルモンバランスを崩してしまうというようなことはありません。

 

72時間以内でも、より早く服用した方が効果は高いですか?
緊急避妊薬レボノルゲストレルの場合の妊娠阻止率は、24時間(95%)、48時間(85%)、72時間(58%)で、早く服用した方が高いことはわかっています。

 

服用後の再度の失敗について
服用から12時間経過した場合は、再度緊急避妊を行う必要はありません。

 

授乳中の服用はできますか?
可能ですが、服用後24時間は授乳を控えてください。

 

飲み合わせで影響がある可能性のある薬
以下の併用によって、避妊効果が低下する可能性があります。
結核治療薬リファンピシン、てんかん薬フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピンなどです。

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